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訪問看護しおん

認知症の方の外出が心配なご家族へ|帰れなくなったときの備えと訪問看護への相談

「買い物に行く」と出かけた母が、いつもより長い時間帰ってこなかった。

「家に帰る」と言って、父が自宅の玄関を開けようとする。

一度でもそんなことがあると、ご家族は仕事中も「また外に出ていないだろうか」と気になるものです。本人に「一人で出かけないで」と伝えても、毎回付き添うことは難しいかもしれません。

認知症の方の外出を考えるときは、今まさに行方が分からない場合の対応と、普段からできる備えを分けておくと動きやすくなります。そのうえで、ご家族だけで抱えきれない心配を、誰に相談できるか考えてみましょう。

今、行方が分からない場合

ご本人の行方が分からないときは、家族だけで長時間探してから連絡するのではなく、速やかに110番または警察署へ連絡してください。

連絡時には、最後に見かけた場所と時刻、その日の服装、最近の写真、よく行く場所など、分かることから伝えます。情報が全部そろうまで待つ必要はありません。

大阪府では、警察署や市町村への届出をきっかけに、地域の協力機関へ情報を伝えて早期発見につなげる「見守りSOSネットワーク」を案内しています。利用方法は市町村の担当窓口で確認できます。

外出の前に、どんな様子があるか

「なぜ出ていくの?」と尋ねても、ご本人がうまく説明できるとは限りません。ただ、何度か様子を振り返ると、相談するときに伝えられることが増えます。

例えば、夕方に出かけようとすることが多いのか。出かける前に「仕事に行く」「昔の家に帰る」と話しているのか。いつもの散歩道なら帰れるけれど、別の道に入ると迷うのか。

国立長寿医療研究センターも、外出しようとする時間や行き先に傾向があるか、本人はどこへ行こうとしているのかを見てみるよう勧めています。周囲には目的が分からない行動でも、ご本人には理由がある場合があります。

まずは「何時ごろ、何を話して、どちらへ向かったか」を短くメモするだけでも十分です。ご本人を責めるための記録ではなく、家族や支援者が状況を共有するための記録です。

訪問看護には、何を伝えればいい?

すでに訪問看護を利用しているなら、「認知症だから外出が心配です」だけでなく、暮らしの中で起きたことを具体的に伝えてください。

例えば、次のような内容です。

  • 最近、外出する時間や回数が変わった
  • 以前は帰れた道で迷うようになった
  • 夜に眠れず、昼間に眠ることが増えた
  • ご家族が仕事中に付き添えず、対応に困っている

訪問看護では、病状や日々の暮らしについて確認し、ご本人や家族の相談を受け、必要に応じて医師やほかの支援者と連携します。訪問看護師が常に自宅にいて見守るわけではありません。 それでも、訪問時に分かることと、ご家族が訪問のない時間に気づいたことを合わせれば、主治医やケアマネジャーに相談する内容を整理しやすくなります。

特に、これまでと様子が急に変わった場合は、「認知症が進んだから」と決めつけず、体調や薬のことも含めて医療者に伝えてください。

家族がずっと付き添えないときは

ご家族が仕事や家事を続けながら、一日中ご本人の外出を見守ることはできません。「目を離した自分が悪い」と考えるより、付き添えない時間があることを前提に備えを考えましょう。

最近の写真を用意しておく。普段よく行く場所を家族で共有する。外出時に連絡先が分かる方法を、ご本人の気持ちにも配慮しながら検討する。こうした準備は、行方不明を必ず防ぐものではありませんが、万一のときに情報を伝える助けになります。

柏原市には、行方不明になる心配のある高齢者について、事前登録や高齢者見守りQRコードシールを利用する仕組みがあります。対象や申請方法は、柏原市の案内で確認してください。

訪問看護を利用していない場合や、どの支援が合うか分からない場合は、地域包括支援センターも相談先です。柏原市高齢者いきいき元気センターでは、認知症を含む高齢者の暮らしや介護について相談を受け付けています。

柏原市で訪問看護を考えている方へ

「外出が心配」という理由だけで、すぐに訪問看護の利用を決める必要はありません。一方で、体調の変化も気になる、ご家族の介護負担が大きくなっているなど、医療と暮らしの両面で相談したいことがあるかもしれません。

訪問看護ステーションしおんには、看護師とリハビリ専門職が在籍しています。ご相談の際は、病名だけでなく、「いつ外へ出ようとするか」「家族がいない時間に何が心配か」といった日常の様子もお伝えください。訪問看護で相談できることを整理し、必要な支援を考える入口になります。

ご本人の「出かけたい」という気持ちも、ご家族の「無事に帰ってきてほしい」という思いも、どちらも置き去りにする必要はありません。まだ利用を決めていない段階でも、一人で抱えている心配を言葉にするところから始めてみてください。